最近、アメリカの関税問題で不安な方も多いと思います。
こんな時こそ信頼ある投資本を読むのが個人的におススメです。
そこで今回は、僕が最も尊敬している経済評論家の故山崎元さん(以下ヤマゲンさん)、大橋弘祐さんの本
「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」から学んだことを3点紹介します。
お金を増やしたい大橋さんが、ヤマゲンさんに相談するという設定です。
この本は株式投資以外に、保険や不動産などについても紹介していますが、当ブログでは株式投資の部分に絞って紹介します。
「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」から学んだことを3点紹介すると、
①買うべき投資信託はこれ
②リスクプレミアムを理解する
③上がるか下がるかはノーベル賞を獲った人でも分からない
になります。
買うべき投資信託はこれ
ヤマゲンさんを知ってる方は、これしかないだろうと思うでしょう。その通りです。
買うべき投資信託は、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
の一択になります。
NISAで一番売れている商品で、通称オルカンと言われています。
そして、
- いつ?→「いま」もしくは「給料が出たとき」
- どこで?→「SBI証券」や「楽天証券」などのeMAXIS Slimシリーズが買えるネット証券で
- どのように?→「NISA」や「iDeco」をなるべく使って
- いくら ? →生活費を除いた、無理のない範囲で
- どうする? → ひたすら待つ!
になります。
資産運用は、子供の学費など、すぐに使うお金ではなく、当分使わないお金で買う。
そして、後はひたすら待つ。
それだけです。

関税問題で株価が大幅に下落しても、ひたすら待つ!
タイミングに失敗したと凹む必要はないんですね。
ヤマゲンさんがオルカンを薦める理由は、
- 手数料の安さ
- 長期投資なら平均が勝つ
手数料は、信託報酬はわずか約0.06%。これに、投資信託には隠れコストというものがありますが、隠れコストを含めても約0.16%程度です。
オルカンは、時価総額が高い全世界の約3,000社が対象ですから、それで約0.16%は破格と言えます。
オルカンは全世界の市場平均に連動したものなので、成績も平均的です。短い期間なら他の商品に負けるのが当たり前になります。
しかし、過去のデータで見れば、10年や20年の長い期間で見ると、ほとんどのプロがインデックスファンドに負けています。
※日経平均株価など市場平均に連動した商品は「インデックスファンド」と言います。
数年ではいつもインデックスファンドは平均点です。
しかし、長期間保有するとほとんどのインデックスファンドが上位の成績を取ります。
オルカン VS S&P500
オルカンと同じくらい人気で、アメリカの時価総額が大きい500銘柄が対象の「S&P500」というものがあります。
ここ30年間くらいの成績では世界全体の株価指数よりも成績が良く、S&P500の方が良いのではと思う方も多いと思います。(実際、僕もS&P500に連動した投資信託を購入しています)
ヤマゲンさんはこのように解説しています。
アメリカだけに集中させてしまうと、アメリカという国の経済政策や、税率、規制が変わると、アメリカ株だけが大きな影響を受けるリスクはある。
この前教えたように、お金を増やすには、平均的な成績を出せるように投資するのが原則。それなのに、アメリカだけに集中させるのは、一種のアクティブファンド(偏りを持たせた運用になる。オルカンと言う1つの商品を買えば「全世界の株式を平均的に買うこと」ができるのだから、オルカンがいいと私は思うよ。
引用:難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください(COLUMN 世界全体のオルカンとアメリカだけのS&P500。どっちがいい?)

まさに今、関税問題でアメリカのリセッションが懸念されています。
アメリカが調子がいいことを考えるのではなく、調子が悪くなってしまった場合も考えるのが大切なんですね。
リスクプレミアムを理解する
オルカンがいい商品だとは理解しても、減るかもしれない。
実際2025年になってからはオルカンの基準価格も減っています。
山崎さんも、3分の1くらいは減ることを想定しなければならないと説明しています。
それほどリスクがあるのが株式投資です。
しかし、株式投資ではそのリスクを引き受ける報酬として、リスクプレミアムがもらえるようになっています。

ヤマゲンさんの「経済評論家の父から息子への手紙 」という本では、「世の中は、リスクを取りたくない人が、リスクを取ってもいいと思う人に利益を提供するようにできている」と説明しています。

オルカンのリターンは平均で5~6%と言われています。
どうせ銀行に預けてもお金はたいして増えないんだから、無理のない範囲でリスクを負って平均で5%が狙えるインデックスファンドを買ってみようよ、ということだね。
引用:難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください(株って競馬や宝くじと何が違うんですか?)

ヤマゲンさんは実生活でも、
・仕事でクビになるリスク
・会社が傾くリスク
・健康を損なうリスク
など様々なリスクを負っていると言います。
いろいろなリスクの中でお金のリスクだけにこだわる必要はないんですね。
上がるか下がるかはノーベル賞を獲った人でも分からない
「いつ」買えばいい?
ヤマゲンさんは今すぐ買うべきだと考えています。
プロでも未来は予想できないから、「今が安い」「今が高い」というのは、誰にも分からないのです。
実際、ノーベル経済学賞の受賞者が運用チームにいても倒産したファンドがあります。
将来、上がるか下がるかはノーベル賞を獲った人でも当てられない。だったら、お金を寝かせておくよりも、早く買ってお金はたらいてもらう期間が長い方が、現時点の判断としては正しいの。
引用:難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えてください(いつ買えばいい? 今です!)

関税問題で、株価が大きく下落し、年初から買わなければ良かったと後悔している人も多いと思います。
しかし、関税問題でここまで下落するかどうかは予想できなかったはずです。
大事なのは現在の株価より、お金に長い期間働いてもらうことです。
書評、まとめ
以上、「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」から学んだことを、
①買うべき投資信託はこれ
②リスクプレミアムを理解する
③上がるか下がるかはノーベル賞を獲った人でも分からない
の3点紹介しました。
元々、単純に貯金ができない人、NISAなどで資産運用することに興味を持ち始めた人に向けた本です。
どちらかと言えば初心者向けの本ですが、僕は現在の株価下落に動じないためにもこの本を読むべきだと思っています。
僕が好きな名著「敗者のゲーム」でも、ブレずに適切な投資方針を貫くことが大切だと説明しています。

株価が上がるか下がるかは、ノーベル賞を獲った人でも分からないのです。
今の相場に悲観せず、無理のない範囲で買い続け、後は上昇するのをひたすら待つのが最適解というのがヤマゲンさんの結論です。
資産運用に興味がある方はもちろん、関税問題に動揺している方もぜひ読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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