僕がスポーツ選手の本をたくさん読むきっかけになった元巨人のエース、桑田真澄さんの「心の野球 超効率的努力のススメ」を紹介します。
引退後も早稲田大学大学院で学ぶなど、とにかく努力のイメージが強い桑田さん。実はがむしゃらに努力することを薦めていません。
桑田真澄さんの「心の野球 超効率的努力のススメ」から学んだことを3点紹介すると、
①努力は「量」ではなく「質」
②試練を乗り越えることで人は磨かれる
③人生には四季がある
の3点になります。
努力は「量」ではなく「質」
桑田さんは、努力は「量」ではなく「質」という考え方を大事にしています。
努力は、量ではなく質である。
短時間で、効率的、合理的に積み重ねてこその成果がある。
そして、「表の努力」と「裏の努力」を両立できてこそ、努力は報われる。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第1章 努力)
桑田さんの努力の特徴は、『合理的・効率的な短時間集中型』です。
怪我をしたら意味がない。
だからこそ無茶な努力はせず、野球選手時代の23年間は「50回のシャドウピッチング」を必ず続けていました。時間にしてみたら、1日10分~15分程度です。
PL学園時代も、朝も夜も練習に時間をとられ、満足できる勉強時間はありません。
毎日30分だけ机に向かい、授業の間の休憩時間の10分は宿題や復習の時間に。
それだけを黙々と実行していたからこそ、桑田さんは学業もよい成績を取ることができました。

東大AI博士カリスさんの本でも、無理なく続けられるよう「習慣化」と「環境づくり」が大切だと紹介しています。
桑田さんから特に学んだ努力は「裏の努力」です。一見関係ないように思える日常の行動や習慣が大切だと気づかされます。

WBCの球数制限の意味
桑田さんは指導者に向けて、
『成長段階の体に見合わない、無茶な過酷な練習メニューを課すのは絶対によくない』
と警鐘を鳴らしています。
2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、決勝は95球の球数制限がありました。
WBCを観ていた日本の野球指導者には、このルールが意味することに、気がついてもらいたい。
体力、精神力、技術、経験を兼ねそろえたプロ野球の一線級の投手に「多投してはいけない」と言っているのだ。この見解は、最先端のスポーツ医科学の研究成果が反映されている。それなのに、身体もできていない成長期の小学生、中学生、高校生、もちろん大学生にも、練習や試合で、100球200球と投げさせている指導者がとても多い。ひどいときは、何日も連投させるのだ。
バッターにしてもそうだ。指導者が「一日に1000回素振りをしろ」と言う。体が出来あがっていない子供たちが1000回全力で素振りができるはずがない。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第7章 指導者とは)

桑田さんは1000回素振りするより、50回を全力で集中して素振りをしたほうがよっぽど効果があると言います。
やはり、身体のことを考えても努力は「量」ではなく「質」が大事なんですね。
試練を乗り越えることで人は磨かれる
桑田は中学時代にも苦い経験がありました。
桑田さんは中学2年生の段階で「高校はPL学園に行く」と決めていたそうです。
ところが、中学3年生の時、先生とこのようなやりとりがありました。
「桑田君が行ってくれれば、ほかの生徒も(セットで)受けて入れてくれるという高校があるんだ。進学校でもあるし、桑田君、その高校に決めてくれないか?」
引用:心の野球 超効率的のススメ(第4章 試練)
断る桑田さんに対し、
「お前は冷たい男だ。友情がない」
「お前をPLには絶対に行かせないぞ!」
引用:心の野球 超効率的のススメ(第4章 試練)
とまで言われます。
この問題以降、
『友情を裏切って自分のわがままでPLに行くという薄情者』
という烙印を押され、桑田さんは中学3年生で転向することになってしまいます。
しかし、このことから学んだ教訓が、前向きで素晴らしいのです。
先生だって、友達だって、人間自分が一番かわいい。だから人を利用したり、突然手のひらを返したり、そういうことはあるもの。
よくよく考えると彼らと生涯をともにするわけではないのだから、
「いい勉強をさせてもらったな」
というふうに今は受け止めている。
人を恨むことは無駄なんだ。
いつかきっと、この経験は活きてくる。いや、活かさないといけないんだ。そうやって前向きに考えて、人生は楽しく生きなければならない。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第4章 試練)
KKドラフト事件ついて
その後PL学園に進学した桑田さん。
この本では、あの有名なKKドラフト事件についても触れています。
KKドラフト事件では、同じPL学園のスター清原和博さんが巨人入りと言われる中、巨人は大学進学を希望していた桑田さんを指名。
桑田さんは、
『巨人と密約があったかもしれない、友達を裏切った男』
というダーティーヒーローな扱いにされてしまいました。
実はこの時は、中学校の先生に苦境に追い込まれた経験で心の免疫ができていたと言います。
密約だと疑われたが、僕はただ、練習をし勉強をして神様に祈っていただけだった。まるで、中学時代の進路選びのようだった。あのときの中学校の先生によって、苦境に追い込まれ形成された心の免疫が僕自身を守ってくれた。あの経験があったから、周囲やマスコミの重圧にも耐えられたのだと思っている。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第4章 試練)
プロになってからも不動産問題や登板日漏洩などのスキャンダル、1995年に右肘の怪我→手術などたくさんの「試練」を経験しました。
それでも桑田さんは、『試練はつらく苦しいことではなく、次への挑戦と向かうスタート』と考えます。
「目の前に起こったことはすべてパーフェクト」
たとえ試練に遭遇したとしてもそれは必然であり、乗り越えることで人は磨かれていく。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第4章 試練)

僕はポンコツ人生まっしぐらで、仕事でもたくさんのミスをし、多くの方々に迷惑をかけてきました。
そこで大切なのは、「その試練をどう捉えるか」です。
この本を読むととても前向きになれます!
人生には四季がある
先ほどの『試練を乗り越えることで人は磨かれる』の延長になります。
この本で、とてもが好きな言葉があります。
それは、
人生には四季がある
という言葉。
中学生での経験とKKドラフト事件は桑田さんにとって人生の冬だったと言えます。
誰もが経験する人生の冬。
人生の冬を迎えたらどうすればいいのでしょうか?
桑田さんは、このように実践してきたそうです。
僕が実践してきたのは、上ばかり見ないで、ときには冷静に周囲を見るということ。いつも上を見続けるから、すごく苦しくなってしまう。あまりにも苦しくて苦しくて仕方ないときは、一歩引いた立場から全体を見てみる。そうすれば、自分がどれだけ恵まれているか実感することができる。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第5章 マイナス思考)
桑田さんには、PL学園を推薦してくれた清水哲さんという先輩がいます。
清水さんは大学野球の時、ヒットエンドランで二塁にヘットスライディングを試み、ベースカバーに入った相手選手と激突しました。
首から下は麻痺、寝たきりになってしまい車いす生活を余儀なくされてしまいました。
清水さんは桑田さんに、
「クワタ! もうオレを殺してくれ!こんな身体で生きていてもしゃあない。家族にも迷惑かけるだけや」
と何度も何度も言ったそうです。
桑田さんは、清水さんの苦悩に比べれば、
- 自分の苦境は清水さんの足元にも及ばない
- 清水さんの苦しみに比べれば、自分の苦しみは微々たるものだ
と考え、清水さんのおかげで苦境を乗り越えられたそうです。
いつも僕の頭の中には哲さんがいた。哲さんが背負ったものの重みには僕にはわからない。でも、それだけの困難を乗り越えようとがんばっている哲さんを思うと、僕も、もっともっとがんばらなきゃいけない、がんばらなきゃ哲さんにがっかりされると励まされたものだ。
引用:心の野球 超効率的のススメ(第5章 マイナス思考)
※清水さんは、口にくわえたスティックでパソコンを使い9年かけて書き上げた『桑田よ清原よ生きる勇気をありがとう』という著書があります。
まとめ、書評
以上、「心の野球 超効率的努力のススメ」から学んだことを
①努力は「量」ではなく「質」
②試練を乗り越えることで人は磨かれる
③人生には四季がある
の3点紹介しました。
桑田さんと言えば、
- 努力のカリスマ
- 超苦労人
のイメージを常に持っています。その2つのイメージを深堀したのが今回紹介した3点です。
超マイナス思考の僕だからこそ、たくさん桑田さんの言葉が突き刺さります。
実は最近仕事でも失敗してしまい、落ち込んでいました。
そんな今だからこそこの本を読み直し、また頑張ろうと一歩踏み出すことができました。
超文科系の僕が、正反対とも言える、一流スポーツ選手の考え方を学ぶきっかけになった本です。
ぜひ、桑田さんのファンだけでなく、落ち込んでいる時にこそ読んでもらえたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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