今回は、前回紹介した栗山英樹元監督の著書「栗山ノート」の続編、「栗山ノート2」から学んだことを3点紹介します。
「栗山ノート2」は、記憶に新しい2023年に世界一を奪還したWBC(ワールドベースボールクラシック)のエピソードになります。
特に印象深かったのが、ダルビッシュ有選手と大谷翔平選手のエピソードです。その2人から学んだことも紹介させていただきます。
「栗山ノート2」から学んだことを3点紹介すると、
①窮すれば、すなわち変ず
②報われてはいけない
③確乎不抜の志
になります。
窮すれば、すなわち変ず
2023年のWBC。
22年12月にはコーチングスタッフを発表しました。本当はもう少し準備期間が欲しかったそうです。
コーチやスタッフにどんな人材を選ぶかは、国際試合に挑む経験がなかった栗山さんは、本当に大切な要素が何なのかつかみきれずにいました。
栗山さんの心境は、『易経』に収められている「窮すれば、すなわち変ず。変ずれば、すなわち通ず」だったと言います。
これは、『行き詰まりは変化をもたらし、おのずと道が開けてくる』ことを意味します。
- 取引先とトラブルが発生してしまった
- 友だちと言い争いをしてしまった
- 両親に荒っぽい言葉を浴びせてしまった
など、そのままではいいはずはないと分かっても、すぐに行動へ移すことができず、精神的に引きずってしまうことがあります。
大事なのはこのようなことをしてしまった後です。
栗山さんはこのように言います。
起こったことをいいものにするのも、悪いものにするのも、その人次第だと思うのです。苦しい場面に出合ったら、「窮すれば、すなわち変ず」と口にしてみるのはどうでしょう。
引用:栗山ノート2(第1章 謹んで)

栗山さんの考え方は、桑田真澄さんと似ていると思います。
桑田さんは、『試練に遭遇したとしてもそれは必然であり、乗り越えることで人は磨かれていく』と考えています。
苦しいことが起きても、それが変化をもたらすきっかけになると考えたいですね!

報われてはいけない
塩沼亮順さんという有名な僧侶がいます。
栗山さんは、塩沼さんの「報われてはいけない」という教えと『論語』の「己に満ちて礼に復る」に紐づけました。
「己に満ちて礼に復る」は『自分自身の欲求を満たすのではなく、人の役に立つことを優先する』と考えることです。
2023年のWBCで、まさにダルビッシュ有選手がそうでした。
選考過程で最初に会った時、妻の聖子さんが4人目のお子さんを出産を控えていました。
出産後の聖子さんに負担かけないよう、最初は「スコアラーはどうでしょうか」と提案していたそうです。
次に会った際には、妻の聖子さんとお子さんも交えた食事会でした。
この時に、
「監督、侍ジャパンに僕が参加するのに、最初から合流しないなんてありえないですよね。それじゃあ、チームにならないじゃないですか」
引用:栗山ノート2(第2章 自修す)
と栗山さんに話し、その言葉どおりキャンプイン初日から参加します。

メディアでもダルビッシュ選手のことはたくさん取り上げていましたが、この本を読むとダルビッシュ選手の心配りに目頭が熱くなります!
宮崎キャンプでは初日から一切の壁を作らず、若い選手たちの中へ飛び込み、伝えるべきことをしっかりと浸透させつつ、10歳以上も年齢が下の選手に質問をして、新たな感覚や思考に触れ、自分の進化の糧にしていく姿勢を見てもらいました。宮崎キャンプの初日から決勝戦を終えたあの夜まで、感謝の思いを胸いっぱいに抱えて君を見ていました。
報われることを一切求めず、無私の心でチームに尽くしてくれたその姿は、人間としての魅力に溢れていました。
引用:栗山ノート2(第2章 自修す)

前作の「栗山ノート」で、栗山さんは『成功していない組織は部下を大切にしていない』と触れています。
ダルビッシュ選手は、まさにその逆。
成功する組織を作りWBC優勝に導いてくれたリーダーでした。
部下の心をつかみ、部下の功績を称賛し、自らの志を組織に広く浸透させました。

確乎不抜の志
最後は大谷選手から学んだことです。
たくさんメディアでも取り上げられた名言、
「僕からひとつだけ、憧れるのはやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見たらマイク・トラウトがいたり、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しもが聞いたことのある選手たちがいると思うんですけど、今日一日だけは彼らの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、いこう!」
引用:栗山ノート2(第6章 マイアミラウンド磨いて)
栗山さんは、この名言に関して、『易経』の教えに「確乎不抜」(かっこふばつ)というものを紹介しています。
これは意思や精神がどっしりとして何事にも動じないさまを表します。
メキシコとの準決勝では、7回裏に3対3に追いついた直後の8回表に2点を失ってしまいます。
この時も大谷選手は不安も感じさせなかったと栗山さんは言います。
ベンチで選手たちを迎える翔平の姿は、いささかの不安も感じさせません。「さあ、ここからいこうじゃないか!」とチームメイトを明るく盛り上げていたのです。
困難が大きいほど、克服したときの喜びもまた大きい。さあ、喜び勇んで倒しに行くぞという精神性に、侍ジャパンの選手たちは貫かれていました。
引用:栗山ノート2(第6章 マイアミラウンド磨いて)

栗山さんは、難しい仕事を担当することになったり、強いチームと対戦することになったり、重圧が肩にのしかかる場面こそ「確乎不抜の志」で挑んで欲しいと言います。
大谷さんの名言は僕たちの日常でもきっと役立ちます。
まとめ
以上、「栗山ノート2」から学んだことを、
①窮すれば、すなわち変ず
②報われてはいけない
③確乎不抜の志
の3点紹介しました。
日本中を感動させた2023年のWBC。
この本では、WBCの知らなかった裏側も栗山さんご自身の言葉で知ることができます。
その中で、「学んだことを紹介する」という原点に立ち返り、パッと浮かんだのがダルビッシュ選手と大谷選手のエピソードでした。
このブログでは取り上げられませんでしたが、ヌートバー選手、故障してしまった栗林選手との栗山さんのやり取りにも心打たれます。
WBC2023の軌跡を思い出したい方にぜひおすすめです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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